従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
1月度の衛生委員会の資料になります。
1月度のテーマは「サプリメントについて」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2024年1月度
衛生委員会資料
産業医 坂井 伸好
サプリメントとは?
サプリメントはビタミンやミネラルなど特定の栄養素を補うために作られたものです。
錠剤や液状などいろんなタイプがあり、薬局やコンビニで手軽に手に入れることができますね。
しかし、あくまで食事で足りないところを補うもので決して食事の代わりにはなりません。
では、サプリメントのメリットとデメリットについて話していきますね。
【メリット】
サプリメントのメリットを以下にまとめます。
・簡単に特定の栄養素を取り入れることができる
・食品よりも効率的に特定の栄養素を多量に摂取できる
・持ち運びが簡単
・毎日摂取しやすい
サプリメントは、食品だと大量に食べないと摂ることができないような毎日摂取するのが難しい栄養素も、簡単にとることができるというメリットがあります。
食品とは違い持ち運びも簡単で、ドラッグストアやコンビニでも簡単に手に入れることができるのも大きなメリットですね。
【デメリット】
次にサプリメントのデメリットを以下にまとめます。
・特定の栄養素しか摂取できない
・過剰摂取する恐れがある
・安全性や効果がはっきりしていない場合もある
サプリメントの効果は一面的で、特定の栄養素に限られます。
ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン(ビタミンD,A,K,E)があります。
水溶性ビタミンは、尿とともに体外に排出されるため、たくさん摂ってもそんなに心配することはありません。
しかし脂溶性ビタミンは、尿とともに排泄できずに体内に蓄積されます。
このように大量に摂取すると体に悪いものもあります。
サプリメントは特定の栄養素を簡単に摂取することができるため、栄養素を過剰に摂取する恐れがあり注意が必要です。
また、コラーゲンなどのように食事での摂取による効果がはっきりと解明されていないものもあります。
食品から栄養を摂るのとどう違うの?
サプリメントと食品が大きく異なる点は、①栄養成分の種類と豊富さ、②栄養成分の量、③安全性です。
サプリメントは特定の成分だけを濃縮し、一度にたくさん摂れるように作られたものです。
一方で、食品にはさまざまな成分が少量ずつ含まれています。
栄養成分は単独で健康効果を発揮するというより、身体の中で複数の成分が作用しあって有効に機能します。
食品で栄養素を摂取する方が、サプリメントよりもいろいろな栄養成分が同時にとれるため、結果的に栄養効果が高まることが期待できるのです。
【栄養成分の種類と豊富さ】
食品から栄養を摂取することは、摂りたい栄養成分以外のものも同時に摂取することになります。
例えば、ビタミンを摂取する目的で野菜を食べたとしても、同時に食物繊維やポリフェノールなども同時に体に入りますよね。
昔は食物繊維やポリフェノール類は栄養として価値のないものとして扱われていました。
しかし、これらは今はサプリメントとして利用される程、健康に役立つ成分とされています。
食品から摂取することで、今はまだ効果が解明されていない栄養成分も知らず知らずに摂取することができるのです。
【栄養成分の量】
サプリメントは特定の栄養成分を濃縮しているため一度に大量に摂取することができます。
それはメリットである反面デメリットでもあります。
例えば、少量なら乳がん予防が期待される大豆イソフラボンも、大量に摂取すると人によってはかえって乳がんのリスクが高まる可能性があることがわかってきています。
【安全性】
同じ成分であれば、食品だろうがサプリメントだろうが吸収されれば体内での働きは同じです。
しかし、サプリメントは食品と比べ歴史が浅いため、一度に成分を大量にとることが健康にどういう影響を与えるか不明なことが多いのです。
サプリメントはいつ摂ると効果的?
何度も述べていますが、基本的に栄養成分はさまざまな食品からバランス良く摂ることが望ましいです。
しかし、補助的にサプリメントを活用する場合もあると思います。
サプリメントには、薬と違って食前・食後など具体的な摂取方法は記されていない場合が多いですよね。
表示のある場合には表示に従い、ない場合には基本的に食後に飲むと良いでしょう。
脂溶性ビタミン(ビタミンD、A、K、E)などは脂に溶けることで腸から吸収されるので、脂質のある食品と一緒にとるのが好ましいです。
また、空腹時にビタミンCのサプリメントを摂ると酸の影響で胃が荒れたりしますが食後にとればこのような弊害を予防できます。
ただし、食前に飲んだ方がいいものもあります。
食物繊維などは、食前にとることによって食後血糖値の上昇を緩やかにする作用があります。