2022年12月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

12月度の衛生委員会の資料になります。

12月度のテーマは

舌がんの初期症状や進行症状とは?

~症状のチェックリストや舌がんになりやすい人の特徴について~」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2022年12月度 

衛生委員会資料

産業医 坂井 伸好

 

舌がんとは口腔(こうくう)がんの一種で、主に舌の前方2/3の部分に生じたがんのことです。口腔がんの中でもっとも頻度が高いのが舌がんです。治療は主に手術、放射線治療、化学療法があり、第一に手術が行われることが一般的です。手術は、初期の段階であれば小さい範囲の切除で済み、術後の機能障害も少ないといわれます。このことからも、早期発見・治療が重要です。

では、初期の段階ではどのような症状が出るのでしょうか。このページでは、舌がんの初期症状や受診の目安、セルフチェックの方法、舌がんになりやすい人の特徴などについてご紹介します。

 

舌がんの初期症状――痛みなどの症状は現れにくい

舌がんは初期段階では痛みなどのはっきりとした症状がでにくいため、異常に気付けないこともあります。また、痛みや出血のような明らかな症状は現れない場合もあります。しかし、舌は鏡を使えば自分で観察することができ、指で触ることのできる部位です。そのため、ほかのがんと比較すると早期発見・治療に結びつきやすいがんともいえます。

 

初期症状のチェックリスト

鏡などを使って定期的にチェックを行い、気になる症状があれば医療機関の受診を検討しましょう。受診する診療科は歯科や口腔外科、あるいは耳鼻咽喉科(じびいんこうか)が望ましいでしょう。

  • 2週間以上治らない口内炎潰瘍(かいよう)(ただれ)がある
  • 舌や口の中の粘膜の色が白く変色している(白板症
  • 舌が赤く変色し、ただれている(紅板症)
  • 舌の表面がザラザラしている
  • 舌にしこりがある

など

 

舌がんの好発部位はどこ?

舌がんの多くは舌の中央や先端ではなく、舌の両脇部分に生じます。また、舌の裏側など普段なかなか目にしない場所に生じることもあります。そのため、セルフチェックを行う際は舌全体を観察し、特に側面や裏側を重点的に観察するようにしましょう。

 

進行した舌がんの症状

進行した舌がんの場合、舌に痛みや出血などの症状が現れることもあります。また、しこりが外向きに大きくなる場合や、潰瘍を作ることもあります。

これに伴い、言葉が話しづらくなったり、食べ物を食べづらくなったり、口が開きにくくなったりする方もいます。また、口臭が気になるようになる方もいます。このほか、がん頸部(けいぶ)のリンパ節に転移すると、あごの下や首のリンパ節が腫れることもあります。

 

舌がんになりやすい人

舌がんの発症リスクを高める要因として、喫煙や飲酒などの生活習慣による口腔内の慢性的な刺激が挙げられます。そのほか、口の中が不衛生な方、虫歯のある方、合わない詰め物や入れ歯をしている方なども口腔内に慢性的な刺激が加わりやすく、舌がんにかかりやすいと考えられます。

これらに当てはまる方は小まめに舌のセルフチェックを行い、気になる症状があれば医療機関の受診を検討しましょう。

 

予防はできる?

舌がんを予防では、禁煙や飲酒量を適切にとどめることを意識しましょう。また、歯科医院の受診をきっかけに舌がんが発見されることもあるため、口の中の衛生面の改善や、虫歯や合わない詰め物・入れ歯を放置しないためにも、定期的に歯科医院を受診し口腔内の健康を保つことを心がけるとよいでしょう。

 

気になる症状があれば医療機関の受診を検討

舌は比較的セルフチェックが行いやすい部位であり、異常に気付きやすいといえます。そのため、舌がんの初期症状を見逃さないように定期的にセルフチェックを行い、気になる症状があれば医療機関の受診を検討しましょう。

また、特に症状がない方も歯科の定期検診などを受診し、口腔内のチェックやメンテナンスを受けるとよいでしょう。