従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
8月度の衛生委員会の資料になります。
8月度のテーマは「じんましんについて」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
令和2年8月度
衛生委員会資料
産業医 坂井 伸好
”じんましん”とは?
じんましん(蕁麻疹)とは、皮膚の一部が突然、蚊に刺されたように盛り上がり、
短時間で跡を残さず消えてしまう皮膚の病気です。
赤みや強いかゆみを伴いますが、たいていは数十分~1日以内に治まります。
原因を特定できるじんましんは全体の1~3割ほどで、多くの場合、原因ははっきりわかりません。
原因はわからなくても、抗ヒスタミン薬の内服などによって症状を抑えることができます。
原因は?
特定の刺激(食物などのアレルギー反応として起こる場合や、
圧迫などの物理的刺激、発汗など)が原因・誘因となるじんましんと、
直接的な原因がはっきりわからないじんましんがあります。
1度だけ症状が出たり数日内で治まる「急性じんましん」と、
原因が特定できず、1か月半以上、皮疹が出たり消えたりが続く
「慢性じんましん」と呼ばれるタイプがあり、
後者は数か月~数年にわたって続くこともあります。
じんましんを起こしやすくしたり悪化させたりする因子として、
ストレスや疲労、体調不良、かぜなどの感染症、月経などがあげられます。
人から人へうつることはありません。
甲状腺疾患や膠原病などの病気が原因で現れるじんましんもあります。
この場合、医療機関での精査が必要です。
<じんましんの原因・誘因の例> |
|
食物 |
魚介類(サバ、エビ、カニなど)、卵・乳製品(鶏卵、牛乳、チーズなど)、 肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、穀類・野菜(大豆、小麦、蕎麦など) |
食品添加物 |
人工色素、防腐剤(パラベンなど) |
薬剤 |
抗生物質、非ステロイド性消炎鎮痛薬(アスピリンなど)、せき止めなど |
植物・昆虫 |
イラクサ、ゴム、ハチ など(触れる・刺される) |
感染症 |
寄生虫、真菌(カビ類)、細菌、ウイルス |
物理的な刺激 |
下着などによる摩擦や圧迫、こすれ、寒冷・温熱刺激、日光など |
その他 |
運動や発汗(特定の食品や体質などと組み合わさって原因となる) |
どんな症状?
蚊に刺されたような、赤みをもった膨らみ(膨疹(ぼうしん))が現れます。
膨疹の大きさはさまざまで、膨疹同士がつながり、地図のように広がることもあります。
一つひとつの膨疹は、通常は24時間以内に、跡を残さず消えてしまいます。
強いかゆみに加え、チクチクする、焼けるような感じがすることもあります。
じんましんが現れる部位はさまざまで、顔を含め全身のどの部位にも起こりえます。
慢性じんましんでは、夕方~夜間にかけて症状が出たり悪化しやすいことが多く、
だいたい決まった時間に出る人もいます。
対処・予防法は?
特定の食品で起こる場合は、その食品を避けるようにします。
摩擦や圧迫などの刺激で繰り返し出る場合にも、それを避けるようにします。
患部を冷やしたり、市販のかゆみ止めを利用することは
かゆみの軽減に役立ちます(ただし寒冷刺激でじんましんが出る場合には、
悪化するため冷やさないでください)。
じんましん自体の治療には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服が有効です。
医療機関(皮膚科)を受診し、医師に相談しましょう。
じんましん以外に、意識の低下や呼吸困難など複数の症状が現れた場合には、
アナフィラキシーショックと呼ばれる
重篤なショック症状の可能性があるため、早急に受診が必要です。