2019年4月度 衛生委員会からのお知らせ

衛生委員会資料従業員 各位


日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
4月度の衛生委員会の資料になります。

4月度のテーマは「接触皮膚炎について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!! 

                  

平成31年4月度 

衛生委員会資料  

産業医 坂井 伸好

接触皮膚炎(かぶれ)について

症状

何らかの物質が皮膚に接触し、それが刺激やアレルギー反応となってかゆみを伴う湿疹が出ます。俗にかぶれとも呼ばれ、接触した部分の皮膚に紅斑(こうはん)が現れ、ひどいときには、腫れ上がったり、小水疱(しょうすいほう)が出現したりします。

 

原因

身のまわりにあるほとんどの物質が原因となりえます。たとえば、化粧品や香水、ヘアケア用品、指輪やイヤリング、腕時計、ネックレスなどの金属装身具、衣類、家庭用化学薬品、洗剤、医薬品、そのほか植物、動物などです。

 

検査と診断

原因と推測される物質を塗布した絆創膏を背中に貼付して反応をみるパッチテストが有効です。

 

治療

原因となる物質を突き止めて、その物質との接触を避け、短期的にステロイド外用薬を使用します。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬を内服します。

【専門医からのひとことアドバイス】

皮膚炎の原因がわからないままだと、予防ができないだけでなく、重症化することもあります。問診によって意外な原因が判明することもあります。早めに皮膚科専門のお医者さんに相談することをおすすめします。

 

アッ!と驚く意外な原因

日常生活で起こる皮膚のトラブル。実は、身近にある物質との接触が、意外な「かゆみや皮膚炎の原因」ということがあります。

 

光アレルギー性接触皮膚炎

シップ(湿布)を貼った部分が、シップの形にかぶれたことはありませんか?
単純なシップによるかぶれもありますが、さらに光にあたることで変化して、光にあたった部分だけに皮膚炎(赤くなる、ぶつぶつができる、水ぶくれができるなど)を起こすことがあり、強いかゆみも伴います。また、日焼け止めの成分(紫外線吸収剤)でも起こることがあるので注意しましょう。

【専門医からのひとことアドバイス】

原因と思われるものの使用をやめ、日光にあたるのをできるだけ避けてください。そして、まずは皮膚科専門のお医者さんに相談しましょう。受診する際には原因と思われるものを持参することをおすすめします。

 

衣服の物理的刺激による皮膚炎

素材は合成繊維より天然素材の方が肌に優しい、と思っている方は多いと思います。しかし、逆に合成繊維の方が化学的に安定しているので比較的かぶれを起こしにくいことをご存じでしょうか?合成繊維は汗を吸収しにくいので、かぶれた場合は、ほとんどが繊維の成分に対するかぶれではなく、発汗や服がこすれることによって起こる物理的刺激のせいです。
物理的刺激は綿や麻、ウールなどの天然素材でも起こりますので、自分に合った肌触りの良い服を選ぶことがポイントです。服のボタンやアクセサリーによってもかぶれが起こるので注意しましょう。

【専門医からのひとことアドバイス】

まずは、服がすれないようにインナー下着を着用しましょう。汗をこまめに処理することも重要です。また、皮膚が乾燥する冬は皮膚のバリア機能が低下していますので刺激を受けやすくなります。皮膚の保湿も忘れないようにしましょう。なお、かぶれがひどい場合は、皮膚科専門のお医者さんに相談しましょう。

加水分解小麦入り石鹸による食物アレルギー

小麦のタンパク質を細かく分解した成分が入っている石鹸が原因の食物アレルギーが報告されています。皮膚や目、鼻の粘膜から入った小麦成分が原因でアレルギーとなり、小麦を含む食事をとると、顔の腫れ、かゆみ、血圧低下、呼吸困難などが起こります。

【専門医からのひとことアドバイス】

生命に関わる危険な症状を起こすこともありますので、異変を感じたら、速やかに専門医療機関を受診しましょう。